総所得金額とは?所得税における難解な専門用語について解説します

税金の専門用語の多さを疑問に思う女性申告所得税
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こんにちは、税理士の髙荷です。

税金に関するブログを書いていて改めて思うのですが、税法は本当に訳の分からない専門用語が多いですね。

誰が考えるのでしょうか?

我々税理士にとっても難解な用語なのですから、一般の方々にとっては、なおさら意味が解らないと思います。

また、近年の税制改正などを見ると、その内容が年々複雑、且つ難解になっています。

そのうえ、専門用語も難解とあっては、ますます国民の税金に対する興味が薄れるだけだと思うのですが…

 

そのようなことも踏まえて、今回は、多分税理士でも理解している人は少ないであろう、税金の専門用語についての解説です。

ただ、専門用語の解説に、さらに専門用語を用いないといけないこともあり、決して分かりやすい内容とは言えないかもしれません。(その点は、ご容赦ください)

日常生活では絶対に使わない用語ですが、この記事で覚えてもらって、誰かに自慢してください。

 

尚、日本の「税金の税率」や「税金の種類」、「税金の起源」について下記の記事で解説していますので、こちらも併せて参考にしていただければと思います

個人に係る税金の税率7種類を一覧でまとめました

2019年(令和元年)からの法人税率一覧表【普通法人用】

無駄な税金多すぎ!?日本の税金は全部で何種類あるか解説します

税金の歴史をひもとく!初めて税制を導入したのは本当に卑弥呼(邪馬台国)なのか?

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所得税は難しい

今回紹介する専門用語は、主に所得税法で使用される言葉です。

所得税は、その税制自体が複雑なうえに、専門用語も難解ときています。

まずは、専門用語を解説する前の準備段階として、所得税の基本を押さえておきます。

この基本が解っていないと、専門用語の意味も理解できません。

尚、この章では、各項目の内容までは詳しく説明しません。

 

所得税計算上の所得の種類

まずは、所得税を計算する上での所得の種類を整理します。

 

【所得税計算上の各種所得】

申告方式所得
総合課税利子所得
配当所得
不動産所得
事業所得
給与所得
譲渡所得短期
長期
一時所得
雑所得
申告分離

課税

山林所得
退職所得
土地建物等の譲渡長期軽課
長期特定
長期一般
短期軽減
短期一般
上場株式等に係る配当所得等一部申告不要
上場株式等に係る譲渡所得等
一般株式等に係る譲渡所得等
先物取引等に係る雑所得等
申告
不要
利子所得(金融類似商品を含む)申告不可
配当所得(少額配当)申告不要

 

以下、上記番号①~⑰を使って説明しますのでご了承ください。

 

所得税計算上の各種所得の損益通算、損失の繰越控除

続いては、所得税の計算上適用できる損益通算と損失の繰越控除の一覧です。

 

【内部通算できるもの】

申告方式所得の種類内部通算
総合課税短期内部通算可能
長期
申告分離課税長期軽課内部通算可能
長期特定
長期一般
短期軽減
短期一般

 

【損益通算できるもの】

申告方式所得の種類損益通算
総合課税①~⑩損益通算可能
申告分離課税⑫、⑬

 

【損失の繰越控除ができるもの】

申告方式所得の種類損失の繰越控除
総合課税①~⑧純損失の繰越控除
総合課税①~⑧
申告分離課税⑨~⑪
申告分離課税⑫、⑬上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
申告分離課税先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
共通①~⑮雑損失の繰越控除

 

総所得金額とは

それでは、本題に入ります。

最初は、「総所得金額」という専門用語の解説です。

総所得金額とは、次の掲げる金額のことを言います。

 

【総所得金額】

  1. 内部通算及び損益通算後の、①~⑧の合計額
    (但し、⑥の長期と⑦は、1/2の金額)
  2. 1.から対応する損失の繰越控除を全て控除した後の金額

 

このようになりますが、意味わかります?

全ての項目に該当することは、まず無いと思いますので、簡単に下記のように考えてもらっても良いかと思います。

  • 純損失、雑損失の繰越控除後の、①~⑧の合計額

 

但し、正確には、上の1.及び2.の金額になります。

 

合計所得金額とは

「合計所得金額」とは、次に掲げる金額の合計額を言います。

 

【合計所得金額】

  1. 内部通算及び損益通算後の、①~⑧の合計額
    (但し、⑥の長期と⑦は、1/2の金額)
  2. ⑨~⑮の合計額
    (但し、⑪は特別控除適用前の金額)
  3. 合計所得金額 = 1. + 2.

 

簡単に言うと、このようになります。

  • 純損失、雑損失の繰越控除前の総所得金額 + 申告分離課税の所得

 

もっと簡単に言うと、次のようになります。

  • その年の所得を単純に合計したもの

 

総所得金額等とは

「総所得金額等」とは、正確に表現すると次の金額になります。

 

【総所得金額等】

  • 合計所得金額から、対応する損失の繰越控除を全て控除した後の金額

 

簡単に言うと、このようになります。

  • 総所得金額 + 申告分離課税の所得

 

もっと簡単に言うと、次のようになります。

  • 個人事業等をしていない人については、基本的に合計所得金額と同じ

 

課税総所得金額とは

「課税総所得金額」とは、次の金額を言います。

 

【課税総所得金額】

  • 総所得金額から所得控除の合計額を差し引いた金額

 

所得控除とは

上の課税総所得金額で使う「所得控除」とは、以下に掲げるものです。

 

【所得控除】

所得税法における所得控除は、以下の14種類です。

  1. 雑損控除
  2. 医療費控除
  3. 社会保険料控除
  4. 小規模企業共済等掛金控除
  5. 生命保険料控除
  6. 地震保険料控除
  7. 寄附金控除
  8. 障害者控除
  9. 寡婦(寡夫)控除
  10. 勤労学生控除
  11. 配偶者控除
  12. 配偶者特別控除
  13. 扶養控除
  14. 基礎控除

 

課税総所得金額等とは

配当控除などで使う「課税総所得金額等」とは、次の金額の合計額を言います。

 

【課税総所得金額等】

  1. 課税総所得金額
  2. ⑪~⑮の合計額
  3. 課税総所得金額等 = 1. + 2.

 

以上、駆け足で解説してきましたが、理解できましたでしょうか?

税金の中でも、所得税は難解な専門用語が多いので、少しでも確定申告等の参考になれば幸いです。

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