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固定資産税・都市計画税の計算方法と特例制度について詳しく解説しました

固定資産税の土地と建物地方税

固定資産税及び都市計画税の特例

前章までで、固定資産税と都市計画税に関する基本的な解説が終わったので、続いては、固定資産税と都市計画税で適用できる特例について解説します。

尚、特例を適用することで固定資産税及び都市計画税が軽減されますが、これから解説する特例には「手続が不要のもの」と「手続が必要なもの」の両方があります。

手続が不要な特例については、税額計算の際に各自治体が自動的に適用してくれますが、手続きが必要な特例は、納税者自ら手続きを行わないと適用されないので注意してください。

 

手続が不要な特例

まずは、手続が不要な特例について、固定資産税と都市計画税それぞれに分けて解説します。

 

固定資産税の住宅用地(土地)の特例

  1. 一般住宅用地(200㎡超の部分)
    • 固定資産税評価額が1/3に軽減されます。
      • 固定資産税評価額 × 1/3 × 税率
    • 但し、建物の床面積の10倍が上限とされます。
  2. 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)
    • 固定資産税評価額が1/6に軽減されます。
      • 固定資産税評価額 × 1/6 × 税率

 

【注意点】

  • 上記の特例が適用される「住宅用地」とは、専用住宅の土地又は併用住宅で、建物の1/4以上が居住の用に供されている土地です。(マイホーム、セカンドハウス及び住宅用の賃貸用マンションなどが該当します)
  • 土地の面積が200㎡を超える場合には、次のように計算します。
    1. 土地の面積200㎡以下の部分 ⇒ 上記2.を適用
    2. 土地の面積200㎡超の部分 ⇒ 上記1.を適用
  • 店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上である場合、その敷地全てが住宅用とみなされます。 
  • その敷地のうえに住宅が存在する限り、軽減の特例は適用されます。
  • マンション等集合住宅の場合、敷地全体の面積を、居住用住戸の戸数で除した面積で判定します。
  • 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等(※)に係る土地を除きます。

 

(※)【特定空家等とは】

特定空家等とは、空家のうち、倒壊等著しく保安上危険となる恐れ、著しく衛生上有害となる恐れ、著しく景観を損なっている状態など放置することが不適切な状態にある建物(その敷地を含む)を言います。

自治体は、特定空家等の所有者に対して、除却、修繕、立木竹の伐採など周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を取るよう助言、指導することができ、改善されない場合には、勧告、命令を行なうこともできます。

この、勧告の対象となる特定空家等の敷地について、上記の特例が適用されないこととなっています。

 

都市計画税の住宅用地(土地)の特例

  1. 一般住宅用地(200㎡超の部分)
    • 固定資産税評価額が2/3に軽減されます。
      • 固定資産税評価額 × 2/3 × 税率
  2. 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)
    • 固定資産税評価額が1/3に軽減されます。
      • 固定資産税評価額 × 1/3 × 税率

 

【注意点】

  • 上記の特例が適用される「住宅用地」とは、専用住宅の土地又は併用住宅で建物の1/4以上が居住の用に供されている土地です。(マイホーム、セカンドハウス及び住宅用の賃貸用マンションなどが該当します)
  • 土地の面積が200㎡を超える場合には、次のように計算します。
    1. 土地の面積200㎡以下の部分 ⇒ 上記2.を適用
    2. 土地の面積200㎡超の部分 ⇒ 上記1.を適用
  • マンション等集合住宅の場合、敷地全体の面積を、居住用住戸の戸数で除した面積で判定します。
  • 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地を除きます。

 

固定資産税の新築住宅(建物)の特例

平成32年(2020年)3月31日までに建築された新築住宅は、床面積120㎡までの部分について、以下の区分により固定資産税が1/2となります。

  1. 3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅
    • 新築後5年間にわたり固定資産税が1/2になります。
  2. 一般の住宅(上記以外)
    • 新築後3年間にわたり固定資産税が1/2になります。

 

【注意点】

  • 上記の特例が適用されるのは、専用住宅又は店舗併用住宅(店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上)です。
  • 上記の特例が適用されるのは、居住用部分の床面積が一戸につき50㎡以上280㎡以下である新築住宅です。(貸家住宅の場合には、一戸につき40㎡以上280㎡以下となります)
  • 床面積が120㎡を超える新築住宅であっても、特例の対象となるのは床面積120㎡までの部分のみです。
  • この特例は、固定資産税のみの特例です。(原則として、都市計画税には適用されませんが、適用している自治体もあります)

 

手続が必要な特例

続いて、納税者による手続が必要な特例について解説します。

なお、こちらの特例は、固定資産税のみで適用されます。

 

固定資産税の認定長期優良住宅(建物)の特例

平成32年(2020年)3月31日までに新築された認定長期優良住宅については、新築から5年間(マンション等の中高層耐火建築物は7年間)固定資産税が1/2に軽減されます。

但し、一戸につき120㎡部分までに限られ、且つ認定長期優良住宅である証明書を添付して、各自治体に所定の申告を行う必要があります。

 

バリアフリー改修工事に係る固定資産税の特例

以下の要件に該当するバリアフリー改修工事を行った場合には、固定資産税が軽減されます。

 

居住者次のいずれかに該当する者が当該家屋に居住していること

  1. 1月1日時点で65歳以上の者
  2. 要介護認定又は要支援認定を受けている者
  3. 障害者
家屋
  1. 新築された日から10年以上経過している住宅であること(賃貸住宅は除く)
  2. 平成32年(2020年)3月31日までの間に一定のバリアフリー改修工事を施した家屋であること
  3. 改修後の住宅の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  4. 併用住宅は、バリアフリー改修後の家屋の1/2以上が住宅部分であること
工事次のいずれかに該当する工事であること

  1. 介助用の車いすで容易に移動するために通路又は出入り口の幅を拡張する工事
  2. 階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限る)又は改良によりその勾配を緩和する工事
  3. 浴室を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
    • 入浴又はその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
    • 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
    • 固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者等の浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事
    • 高齢者等の身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し又は同器具に取り替える工事
  4. 便所を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
    • 排泄又はその介助を容易に行うために便所の床面積を増加させる工事
    • 便器を座便式のものに取り替える工事
    • 座便式の便器の座高を高くする工事
  5. 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
  6. 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事(勝手口その他屋外に面する開口の出入り口及び上がりかまち並びに浴室の出入り口にあっては、段差を小さくする工事を含む)
  7. 出入り口の戸を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
    • 開戸を引き戸、折戸等に取り替える工事
    • 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
    • 戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事
  8. 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事
 費用バリアフリー改修工事に係る費用が、50万円を超えるものであること(国又は地方公共団体からの補助金等をもって充てる部分は除く)

 

上記のバリアフリー改修工事を行った場合には、翌年度分の固定資産税が1/3軽減されます。

 

【注意点】

  • 上記の適用を受ける場合には、バリアフリー改修工事完了後、3ヶ月以内に一定の書類を添付して各自治体(市町村)へ申告する必要があります。
  • 固定資産税の軽減(1/3)が受けられるのは、建物のみです。(土地には適用されません)
  • 固定資産税の軽減(1/3)が受けられるのは、改修工事後1年間だけです。
  • 固定資産税の軽減(1/3)が受けられるのは、建物の床面積100㎡までの部分です。
  • 詳細は、お住まいの自治体(市町村)へお問合せください。
  • 後述する耐震改修工事と併用することはできません。
  • 所得税についても、同様の軽減措置が受けられます。
    バリアフリー改修工事に係る3つの減税制度【控除額の計算、適用要件、手続方法など】

 

省エネ改修工事に係る固定資産税の特例

以下の要件に該当する省エネ改修工事を行った場合には、固定資産税が軽減されます。

 

家屋次の要件全てに該当していること

  1. 平成20年1月1日以前から所在する住宅であること
  2. 平成32(2020年)年3月31日までの間に一定の熱損失防止改修工事(以下、「省エネ改修工事」という)を施した家屋であること(賃貸住宅は除く)
  3. 改修後の住宅の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  4. 併用住宅は、省エネ改修工事後の家屋の1/2以上が住宅部分であること
工事次の1.の工事、又は1.と併せて行う2.~4.のいずれかに該当する工事であること

  1. 窓の断熱改修工事(必須)
  2. 床の断熱改修工事
  3. 天井の断熱改修工事
  4. 壁の断熱改修工事

改修部位が、いずれも現行の省エネ基準に新たに適合すること

費用省エネ改修工事に係る費用が、50万円を超えるものであること(国又は地方公共団体からの補助金等をもって充てる部分は除く)

 

上記の省エネ改修工事を行った場合には、翌年度分の固定資産税が1/3軽減されます。

但し、この改修工事により、認定長期優良住宅に該当することとなった場合には、固定資産税の2/3が軽減されます。

 

【注意点】

  • 上記の適用を受ける場合には、省エネ改修工事完了後、3ヶ月以内に一定の書類を添付して各自治体(市町村)へ申告する必要があります。
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、建物のみです。(土地には適用されません)
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、改修工事後1年間だけです。
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、建物の床面積120㎡までの部分です。
  • 詳細は、お住まいの自治体(市町村)へお問合せください。
  • 後述する耐震改修工事と併用することはできません。
  • 所得税についても、同様の軽減措置が受けられます。
    省エネリフォーム工事に係る3つの減税制度【控除額の計算、適用要件、手続方法など】

 

耐震改修工事に係る固定資産税の特例

以下の要件に該当する耐震改修工事を行った場合には、固定資産税が軽減されます。

 

家屋次の要件全てに該当していること

  1. 昭和57年1月1日以前から所在する住宅であること
  2. 平成32年(2020年)3月31日までの間に一定の耐震改修工事を施した家屋であること
  3. 併用住宅は、耐震改修後の家屋の1/2以上が住宅部分であること
工事現行の耐震基準に適合する耐震改修工事であること
費用耐震改修に係る費用が、50万円を超えるものであること(リフォーム工事等の費用は除く)

 

上記の耐震改修工事を行った場合には、翌年度分の固定資産税が1/2軽減されます。

但し、この改修工事により、認定長期優良住宅に該当することとなった場合には、固定資産税の2/3が軽減されます。

 

【注意点】

  • 上記の適用を受ける場合には、耐震改修工事完了後、3ヶ月以内に一定の書類を添付して各自治体(市町村)へ申告する必要があります。
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、建物のみです。(土地には適用されません)
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、改修工事後1年間だけです。
  • 固定資産税の軽減が受けられるのは、建物の床面積120㎡までの部分です。
  • 詳細は、お住まいの自治体(市町村)へお問合せください。
  • 前述したバリアフリー改修工事及び省エネ改修工事と併用することはできません。
  • 所得税についても、同様の軽減措置が受けられます。
    耐震改修工事に係る3つの減税制度【控除額の計算、適用要件、手続方法など】

 

固定資産税及び都市計画税の納付期限と納付方法など

最後に、固定資産税及び都市計画税の納付に関する解説をして終わります。

前述したとおり、固定資産税と都市計画税は賦課課税方式を採用しているため、各自治体が計算した税額に基づき、納税者(個人・法人)に対して納税通知書が送付されます。

納税通知書を受け取った納税者は、原則として4月・7月・12月及び2月の4回に分けて納付を行います。(納付期限も、原則としてそれぞれの月の末日です)

但し、納付期限は自治体によって異なるケースもあるため、送付された納税通知書を確認するようにしてください。

 

また、固定資産税には「縦覧制度」というものがあります。

縦覧制度とは、自分の土地・建物と他の人の土地・建物の評価額を比較し、自分の土地・建物の評価額が公平・適正であるかを確認できる制度です。

そのため、納税者であれば誰でも、同一地区内の全ての土地・建物を記載した「縦覧台帳」を見ることができます。

土地価格等縦覧台帳には、土地の所在・地目・地積・価格を、家屋(建物)価格等縦覧台帳には、家屋の所在・登録番号・家屋番号・建築年・種類・構造・床面積・価格を記載しています。

尚、土地・家屋価格等縦覧台帳に記載のある土地と建物のうち、自分が所有していない土地・建物の評価内容については、地方税法に定められている守秘義務及びプライバシー保護の観点から、所有者の氏名・住所等の確認をすることはできません。

 

以上で、固定資産税及び都市計画税についての解説を終わります。

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