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中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除について解説します

中古住宅のイメージその1住宅ローン控除

こんにちは。税理士の高荷です。

今回は、中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除について解説します。

住宅ローン控除は、新築住宅を購入した場合や、一定の増改築をした場合に適用できますが、中古住宅を購入した場合にも適用できます。

しかし、全ての中古住宅が対象になるのか?どのような中古住宅が対象になるのか?詳細まで理解している人は少ないと思います。

 

そこで今回の記事で、中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除の適用について、適用要件から手続方法まで徹底的に解説します。

 

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中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除の適用要件

それでは、中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除について、解説します。

まずは、住宅ローン控除の内容を知らない人に向けて、住宅ローン控除の内容を簡単に説明します。

 

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」と言います。

一般的には、住宅ローン控除などと呼ばれますが、住宅ローン減税や住宅ローン税制と呼ばれることもあります。(この記事では、住宅ローン控除で統一します)

 

住宅ローン控除の制度の内容は、下記のようになります。

住宅ローン控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームを新築、取得又は増改築等をし、平成33年(2021年)12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。

 

このように、住宅ローン控除は個人に掛かる所得税を安くしてくれる、とてもお得な制度になります。

又、条件によっては住民税も安くなります。

どのくらいお得なのかは、こちらの記事にまとめてあるので、参考にしてください。

お得な減税制度!住宅ローン控除の仕組みと控除額の計算方法について

 

さて、このようにお得な住宅ローン控除なので、中古住宅を購入した場合にも是非活用したいところです。

では、どのような中古住宅が住宅ローン控除の対象になるのでしょうか?

 

中古住宅を購入した場合には、次の要件を全て満たせば、住宅ローン控除の適用を受けることができます。

 

【中古住宅を購入した場合の適用要件】

次のいずれにも該当する中古住宅であること
  • 建築後使用されたものであること
  • 次のいずれかに該当する住宅であること
    1. 家屋が建築された日から、その取得の日までの期間が20年以下であること
    2. 上記において、マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年以下であること(※1)
    3. 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること(※2)
    4. 平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、1.~3.のいずれにも該当しない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること(※3)
次の全ての要件に該当すること
  • 生計を一にする親族や、特別な関係のある人などからの取得でないこと
  • 贈与による取得でないこと
  • 取得の日から6ヶ月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
  • この特別控除の適用を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること
  • 取得した住宅の床面積が50㎡以上であること
  • 取得した住宅の床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 10年以上の住宅ローンを組んでいること
  • 居住した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと(※4)

 

上記①の要件を満たした中古住宅を購入し、要件②にも全て該当すれば、中古住宅であっても住宅ローン控除の適用を受けることができます。

 

(※1)耐火建築物とは

耐火建築物とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含まない)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものを言います。

 

(※2)地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であることとは

「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物」とは、次に掲げる建物を言います。

  1. その家屋の取得の日前2年以内に、耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの
  2. その家屋の取得の日前2年以内に、建設住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2若しくは等級3であると評価されたもの
  3. 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの
    (住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限る)

 

(※3)要耐震改修住宅とは

※3に掲げる要耐震改修住宅などの内容については、こちらの記事で詳しくまとめています。

参考にしてください。

地震に備えて!自宅の耐震改修工事に係る3つの減税制度

 

(※4)居住した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこととは

居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例については、下記の記事でまとめているので、参考にしてください。

3,000万円控除!マイホームの売却利益が出た場合の特例税制について

 

中古住宅の住宅ローン控除額

中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除額は、次の算式により計算した金額になります。

 

住宅ローンの年末残高 × 1% = 控除額(控除限度額あり)
  • 正確には、購入した不動産(土地・建物)の価格が、住宅ローンの年末残高よりも低くなる場合には、住宅ローンの年末残高ではなく、その不動産の購入価格を使用します。

 

このように、住宅ローン控除額は、住宅ローンの残高を基準に計算します。

但し、控除額の全額が控除できるわけではなく、下記のように限度額が決まっています。

 

中古住宅を購入した場合の、住宅ローン控除の限度額と控除期間は、次の表に掲げるとおりです。

 

【中古住宅の住宅ローン控除の限度額】

限度消費税8%(10%)で購入した場合左記以外の場合
年間控除限度額40万円20万円
最大控除限度額400万円200万円
控除期間10年10年
  • 左記以外の場合とは、5%の消費税率が適用された場合や、消費税が非課税とされている中古住宅の個人間売買などを指します。
  • 平成26年1月1日~平成33年12月31日までに居住した場合の控除額です。
  • 尚、新築の住宅を購入した場合と同じ控除額になります。

 

重要!

中古住宅を個人から購入した場合の消費税

中古住宅を個人から直接購入した場合には、その購入価格に消費税は含まれていません

その場合には、年間控除限度額は20万円になります。

 

個人が家を売った場合の消費税の判定については、こちらの記事でまとめています。

消費税が掛かる?掛からない?その判定方法をお教えします

 

中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除を受けるための手続

住宅ローン控除の適用を受けるためには、適用初年度に必ず確定申告をしなければなりません。

それは、中古住宅であっても同じです。

サラリーマンなどの給与所得者については、初年度に確定申告をした後の2年目からは、会社の年末調整で住宅ローン控除を受けることになります。

 

住宅ローン控除の手続に必要な書類

住宅ローン控除の手続に必要な書類は、下記のとおりです。

  1. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  2. 住宅ローンの年末残高証明書
  3. 住宅ローンが債務の承継に関する契約に基づく債務であるときは、その契約に係る契約書の写し
  4. 土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明書)
  5. 売買契約書等のコピー
  6. 補助金の額を証明する書類(購入にあたって補助金等を受けている場合)
  7. 中古住宅が耐震基準に適合する建物である場合には、次のいずれかの書類
    • 耐震基準適合証明書(その家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了したものに限る)…建築士、指定確認検査機関等、登録住宅性能評価機関、又は住宅瑕疵担保責任保険法人が作成
    • 建設住宅性能評価書の写し(その家屋の取得の日前2年以内に評価されたもので、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であるものに限る)…登録住宅性能評価機関が作成
    • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限る)に係る付保証明書…住宅瑕疵担保責任保険法人が作成
  8. 中古住宅が要耐震改修住宅である場合等には、次のいずれかの書類
    • 建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し、及び耐震基準適合証明書
    • 耐震基準適合証明申請書の写し(家屋の引渡しまでに申請が困難な場合は仮申請書の写し)、及び耐震基準適合証明書
    • 建設住宅性能評価申請書の写し(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)についての評価に限る)(家屋の引渡しまでに申請が困難な場合は仮申請書の写し)、及び建設住宅性能評価書の写し
    • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書の写し、及び既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約に限る)
    • 請負契約書の写し
  9. 源泉徴収票(サラリーマン等の給与所得者の場合)

 

【ご注意】

平成31年(2019年)4月1日以後に提出する所得税の確定申告書より、給与所得の源泉徴収票の添付が不要になりました。

詳しくは、下記の記事をご覧ください。

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最後に

住宅の購入は、その売買を生業としている人を除けば、一生のうちにそう何度もあることではありません。

そのため住宅ローン控除は、納税者の税負担が重くならないように様々なパターンで優遇措置が受けられるようになっています。

通常は、住宅の購入と言えば新築の戸建てやマンションの購入をイメージしますが、個人的な事情や、資金の関係で中古住宅を購入する人も沢山いると思います。

いずれにしろ、新築でも中古でも住宅を購入するときには、多額の資金が必要になります。

そのような時に、住宅ローン控除の適用をうけられれば、住宅購入後の負担が少しは軽くなると思います。

 

これから住宅購入を考えている人は、色々分からないことや不明な部分もあると思います。

この記事が、それらの人々の不安や悩みを解消する助けになれば幸いです。

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