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個別事例で解説!飲食料品に係る消費税の軽減税率の適用について

軽減税率の対象にならない牛消費税

こんにちは。税理士の高荷です。

さて、今回は消費税の軽減税率が適用される飲食料品に関して、個別事例を用いて解説します。

1度、軽減税率が適用される飲食料品の範囲や判定についての記事を書きましたが、今回はさらに掘り下げて、個別事例ごとに適用の有無を判定します。

1年後に迫った消費税の増税に向けて、是非参考にして下さい。

 

尚、飲食料品に係る軽減税率の内容や範囲については、こちらの記事でまとめています。

飲食料品に係る消費税の軽減税率の対象品目と判定方法

 

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飲食料品に係る軽減税率制度の適用判定

では、個別事例ごとに、軽減税率の適用の有無を判定していきます。

尚、今回の判定は文章で行いますので、下記のように判断してください。

  • 軽減税率の対象となる ⇒ 8%
  • 軽減税率の対象とならない ⇒ 10%

 

ウチの牧場の牛を生きたまま売ったら?

軽減税率の対象とはなりません。

軽減税率が適用される飲食料品とは、人の飲食用として販売されるものを言います。

そのため、牛や豚、鶏等の食用の家畜であっても、生きた家畜は販売の時点で人の食用に供されるものではないため、飲食料品に該当しません。

 

ウチの牧場の牛を枝肉で売ったら?

軽減税率の対象となります。

枝肉とは、簡単に言うと「骨が付いたままの肉」のことです。通常、牛肉などは枝肉の状態で格付けされます。

家畜の枝肉は、飲食料品に該当します。

 

釣った魚を生きたまま売ったら?

軽減税率の対象となります。

家畜と違い、活魚は飲食料品に該当します。

 

コラム

活魚の読み方

正確には「かつぎょ」と読むそうです。

「いけうお」だと思ってました…

 

グッピーを売ったら?

軽減税率の対象とはなりません。

熱帯魚は、食用ではなく観賞用のため対象外です。

 

家畜のえさやペットフードの販売は?

軽減税率の対象とはなりません。

人の飲食用ではないので、飲食料品に該当しません。

 

コーヒーの生豆の販売は?

軽減税率の対象となります。

生豆(きまめ)とは、焙煎する前のコーヒー豆のことです。焙煎する前であっても飲食料品に該当します。

当然、焙煎後のコーヒー豆も軽減税率の対象です。

尚、コーヒー生豆の支給を受けて焙煎等の加工を行う対価は、食品の販売に該当しないため、対象とはなりません。

 

籾の販売はどうですか?

軽減税率の対象となります。

籾(もみ)とは、籾殻を取り去る(脱穀)前の稲の果実のことを言います。

籾は飲食料品に該当するため、対象となります。

尚、稲栽培のために蒔く種籾(たねもみ)は、飲食料品ではないため、対象外です。

 

家庭菜園のダイコンの種は?

軽減税率の対象とはなりません。

栽培用として取引される植物及びその種子は、食用ではないため、軽減税率の対象とはなりません。

農家が購入する野菜の苗木や種も同様です。

 

カイワレダイコンは?

軽減税率の対象とはなりません。

上記、ダイコンの種と同様です。

栽培用や観賞用として取引される野菜や果物の苗木や種子は、飲食料品には該当しません。

 

おつまみ用のヒマワリの種やカボチャの種は?

軽減税率の対象となります。

カボチャの種など食用として販売されるものは、軽減税率の対象になります。

又、お菓子の材料として販売される種も、飲食料品に該当しますので、対象になります。

 

かき氷用の氷は?

軽減税率の対象となります。

かき氷用の氷や飲料に入れる氷は、飲食料品に該当します。

但し、ドライアイスや保冷用の氷は、飲食料品ではないため、対象外です。

 

賞味期限切れの食品は?

賞味期限切れの食品を廃棄するために売ったら?

軽減税率の対象とはなりません。

廃棄するために売るので、食用に供するための販売ではないため、該当しません。

 

賞味期限切れの食品を低価格で売ったら?

軽減税率の対象となります。

賞味期限は「おいしく食べられる期限」です。賞味期限が切れても食べられますので、飲食料品に該当します。

 

料理に使うワインは?

酒税法に規定する酒類に該当すれば、飲食用であっても軽減税率の対象とはなりません。

 

チェック!

酒税法に規定する酒類とは

酒税法に規定する酒類とは、アルコール分1度以上の飲料のことを言います。

【酒税法第2条第1項】
この法律において「酒類」とは、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が90度以上のアルコールのうち、第7条第1項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料としてその免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

 

料理に使うみりんや料理酒は?

酒税法に規定する酒類に該当すれば、調味料等であっても軽減税率の対象とはなりません。

 

チェック!

参考資料

【酒税法第2条第2項】
酒類は、清酒、合成清酒、しようちゆう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類、リキュール類及び雑酒の10種類に分類する。

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ノンアルコールビールや甘酒(アルコール分が1度未満)は?

軽減税率の対象となります。

ノンアルコールビールや甘酒等、酒税法に規定する酒類に該当しない飲料については、飲食料品に該当するため、対象となります。

 

日本酒を製造するための米の販売は?

軽減税率の対象となります。

日本酒を製造するための原材料の米は、飲食料品に該当するため、対象になります。

軽減税率の対象ではない酒を造るための販売なのに、軽減税率の対象になるのですね…

 

金箔を売ったら?

食品衛生法に規定する添加物として販売されるのであれば、軽減税率の対象となります。
添加物以外として売られる場合は、対象になりません。

 

チェック!

食品衛生法に規定する添加物とは

代表例としては、ビタミンC、重曹、キシリトール、トレハロース、ステビア、バニラ、カフェインなどでしょうか。

【食品衛生法第4条第2項】
この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物をいう。

 

食品衛生法に規定する添加物を、化粧品の材料として売った場合は?

軽減税率の対象となります。

化粧品の材料として使用する場合であっても、添加物を食用として販売するのであれば、軽減税率の対象となります。

日本酒を造るための米の販売と同じ考え方です。

 

栄養ドリンクは?

医薬部外品として販売する栄養ドリンクは?

軽減税率の対象とはなりません。

医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品(以下「医薬品等」と言います)は、飲食料品に該当しないため、対象とはなりません。

 

医薬品等以外の栄養ドリンクは?

軽減税率の対象となります。

 

チェック!

医薬部外品とは

人体に対する作用が緩やかな薬品のことで、医薬品と化粧品の中間に分類されます。

歯周病・虫歯予防の歯磨、口中清涼剤、制汗剤、薬品化粧品、ビタミン剤、カルシウム剤、殺虫剤などが該当します。

 

トクホの販売は?

軽減税率の対象となります。

特定保健用食品(トクホ)は、医薬品に該当しないため、飲食料品になります。

又、栄養機能食品や医薬品等に該当しない健康食品・美容食品も、飲食料品に該当するため、軽減税率の対象となります。

 

いちご狩りに行ったら?

軽減税率の対象とはなりません。

果樹園での果物狩りの入園料は、飲食料品の販売には該当しません。

お客さんに果物を収穫させ、収穫した果物をその場で飲食させるといったサービスの提供に該当します。

しかし、収穫した果物について別途お金を貰っている場合には、その果物の販売については飲食料品の販売に該当し、軽減税率の適用対象となります。

 

潮干狩りに行ったら?

軽減税率の対象とはなりません。

潮干狩りや釣り堀についても、上記いちご狩りと同じ取扱いになります。

 

自動販売機のジュースやパン、お菓子等の販売は?

軽減税率の対象となります。

飲食料品の販売に該当します。

 

ネットで生カマンベールを買ったら?

軽減税率の対象となります。

インターネット等を利用した通信販売であっても、販売する商品が飲食料品に該当するものであれば、軽減税率の対象になります。

 

チェック!

消費税の経過措置との関連

インターネット販売等の通信販売に関しては、消費税の経過措置が設けられています。

しかし、飲食料品に係るインターネット販売等に関しては、軽減税率が適用されるため、経過措置は適用されません。

 

尚、インターネット販売に係る経過措置は、こちらの記事でまとめています。

【消費税10%への増税】インターネット販売(通信販売)に係る経過措置

 

レストランへの食材の卸売りは?

軽減税率の対象となります。

レストランでの食事は「外食」に分類されるため、軽減税率の適用はありませんが、レストランに対する食材の販売は、飲食料品の販売に該当するため、軽減税率の対象となります。

 

尚、外食に係る軽減税率の適用判定を、こちらの記事で事例ごとに解説しています。

外食に係る消費税の軽減税率について【個別事例による解説】

 

飲食料品の送料込みの代金は?

軽減税率の対象となります。

飲食料品の発送に係る送料は、食品の販売ではないため対象となりませんが、送料込みの飲食料品の販売のように、別途送料が掛からない場合は、軽減税率の対象となります。

 

飲食料品に係る販売奨励金は?

軽減税率の対象となります。

事業者が受け取る販売奨励金は、仕入の返還に該当します。又、事業者が支払う販売奨励金は、売上の返還に該当します。

そのため、その取引の対象が飲食料品であれば、軽減税率の対象となります。

 

輸入品は?

軽減税率の対象となります。

輸入品が、飲食料品に該当する場合は、軽減税率の対象となります。

 

尚、輸入品に掛かる消費税の計算をこちらの記事でまとめています。

輸入消費税の仕組みと計算方法【納税義務、納税方法、免税まで】

 

以上で、個別事例による軽減税率の適用判定の解説を終わります。

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