こんにちは。税理士の高荷です。
インターネット上には、本当に様々な情報が溢れています。
役に立つ情報からお得な情報・ちょっとアブナイ情報まで、インターネットは本当に世の中を変えましたね。
われわれが子供の頃からは、考えられないくらいに。
しかし、インターネットは便利な反面その情報の真偽をよく検証しなければいけません。
いわゆる「ガセネタ」も非常に多いです。
そこで今回は、税金に関することをインターネットで調べる際の注意点について解説したいと思います。
注意すべき点は2つだけ
税金に関することを調べる際に注意すべき点は、以下の2つだけです。
- 掲載日(投稿日や更新日)が新しい記事しか参考にしない
- 税理士が運営しているサイト(ブログ)しか参考にしない
以上の2点です。
当たり前と言えば、当たり前なのですが…
この2点について、順番に解説します。
掲載日(投稿日や更新日)が新しい記事しか参考にしない
まずは、税金に関することを調べる際に注意すべき点の、1番についての解説です。
- 掲載日(投稿日や更新日)が新しい記事しか参考にしない
- 税理士が運営しているサイト(ブログ)しか参考にしない
インターネット上の多くのブログ記事などは、その記事の投稿日や更新日が表示されると思います。
税金に関することを調べる際には、この日付が新しいものを優先してください。
新しければ新しいほど良いです。
それは、次の理由からになります。
ご存知の人もいるかもしれませんが、税金(税法)は毎年改正されます。
税制改正という税金の法律等の改正が、毎年実施されます。
尚、2019年以降に実施される税制改正については、こちらの記事でまとめています。
2018年、2019年、2020年以降の税制改正を一覧表でまとめてみた
2020年分以後の所得税に適用される8つの改正【平成30年度の税制改正】
この税金に関する法律等の改正があった場合について、今年実施された改正を例にして説明します。
例えば、ある主婦が配偶者控除について疑問に思うことがあったとします。
その場合には、まずインターネットで調べるのが一般的だと思います。
この配偶者控除(配偶者特別控除)の規定は、2018年(平成30年)に改正されました。
メディアなどでも話題になったので知っている人も多いかと思いますが、いわゆる「150万円の壁」と呼ばれる改正です。
このように、最近改正が実施された税金(税法)については、特に注意が必要になります。
今現在、配偶者控除や配偶者特別控除の内容を調べる場合には、次の点に注意しなければなりません。
インターネット上には様々な情報が飛び交っています。
一度アップした記事に関しても、運営者が削除しない限りインターネット上に残り続けます。
そのため、検索上位に表示されるサイトでも、その更新日が数年前のものなどが多く存在します。
ですから、内容が古い記事の場合には、今現在では間違った情報になりかねないものも存在するのです。
特に、税金などの法律が絡む情報については、間違った情報を鵜呑みにしてしまうと、大事に至ることもあり得るので注意してください。
尚、配偶者控除(配偶者特別控除)の改正については、こちらの記事でまとめています。
改正後の情報なので、参考にしてください。
配偶者控除(配偶者特別控除)の改正【103万円の壁と150万円の壁】
源泉控除対象配偶者、同一生計配偶者及び控除対象配偶者の違いと範囲
インターネットのサイトを検索・閲覧する際には、下の図のように日付が表示されます。
まずはその日付が新しいサイトを見つけて、内容を確認しましょう。
【Googleで検索した場合の日付の表示】
【サイト閲覧時に表示れる日付の例】
記事の日付が古いサイト、又は日付が表示されていないサイトはオミットです。
上でも少し触れましたが、検索結果だけに囚われてはいけません。
次のように考えることは、間違った情報を掴まされてしまう可能性があります。
税理士が運営しているサイト(ブログ)しか参考にしない
続いては、税金に関することを調べる際に注意すべき点の2番目の解説です。
- 掲載日(投稿日や更新日)が新しい記事しか参考にしない
- 税理士が運営しているサイト(ブログ)しか参考にしない
税理士は税金の専門家なので、これも当たり前といえば当たり前です。
しかし、そのこと以外にも理由があります。
税理士はその職業柄、間違った情報は載せられないという妙な責任感がある
税理士は税金(税法)の専門家です。
そのため、こと税金(税法)に関しては、間違った情報は発信できないという責任感があります。
「責任感」という言葉を使っていますが、本当の意味合いは違います。
要は、こういうことです。
それ故、税理士が運営しているサイトについては、概ね以下のことが言えます。
【税理士が運営している税金サイト】
税理士が運営しているサイトの税金に関する情報は、正しい情報が多い
税理士という立場上、税金に関する情報については間違った情報を載せたくありません。
そのため、基本的にいい加減な情報は載せません。
しかし、いくら税理士といえども、税金に関することを全て知っているわけではありません。
調べなければ解らないことも沢山あります。
ただ、一般の人が作成する税金情報サイトと比べると、次の特徴があります。
- 税金について、調べるコツを知っている
- 税金について、調べる情報の質が違う
それでも100%正しいかと言われると、100%ではありません。
誤った情報を載せているサイトもあります。
しかし、概ね信用できると思ってもらって良いですし、税金の専門家ではない人が作成したサイトよりは、かなり信用できます。
実際には役に立たないサイトも多いので注意
税理士が運営するサイトの情報は、概ね正しい情報ですが、その内容と量はまちまちです。
もの凄く詳しく丁寧に書いているサイトやブログもあれば、「え?これだけ?」という内容のサイト(ブログ)もあります。
さらに、税理士が運営するサイトには、非常に多く見られる悪い特徴が3つあります。
- 肝心なところは、「国税庁のサイトをご覧ください」でごまかす
- 専門用語を平気で使うため、書かれている内容が非常に解りづらい
- 国税庁のサイトや他のサイトの内容を丸写ししている
特に1番と2番は、非常に多くの税理士サイトで見受けられます。
基本的にこれらのサイトは、一般の人にとっては参考にならないと思います。
ただ、心情的に分からなくもありません。
税金や法律の内容・手続き等を分かりやすく解説するのは、本当に大変なのです。
そのため、専門用語を使いたくなくても、使わざるを得ない場合もあります。
国税庁に頼ってしまう場合もあります。
ですから、このようなサイトが多くても大目に見てください。
但し、3番はちょっと趣が異なります。
国税庁や他のサイトの内容を丸写ししているようなサイト(ブログ)は、同じサイトの運営者の立場からは許せません。
しかし、利用する側からすれば、欲しい情報さえ載っていれば、パクりサイトかどうかは関係ないわけでして。
その辺が、サイト運営のジレンマでもあります。
ともあれ、一般の人の役に立つ・立たないは別にしても、税理士が運営するサイトに書かれている内容そのものは、信用できると考えてください。
税理士が運営するサイトは、あまり検索上位に表示されない
上の方でも述べましたが、税金の情報に限らずやっぱり検索上位に表示されているサイトは、ついつい見てしまいます。
しかし、税金に関する情報を検索すると、税理士が運営するサイトはあまり上位に表示されません。
検索の上位に表示されるのは、このようなサイトが多いです。
- 国税庁などの公的なサイト
- 生活情報サイト
- 暮しの情報サイト
- マネー情報サイト
- 節約情報サイト
- ニュースサイト など
1番は仕方がないと思いますが、それを除いても税理士以外の人達が運営しているサイトが、沢山上位に表示されます。
一口に税金関係の情報と言っても、その範囲は多岐に渡ります。
そのため一概には言えませんが、特に所得税や住民税などの「個人に関する税金」で、上記のようなサイトが検索上位に表示される傾向が強いように感じます。
尚、これらのサイトやブログが信用できないということを言いたいのではありません。
これらのサイトよりも、税理士が運営するサイトやブログの方がより信用できるので、このようなことが言いたかったのです。
国税庁のサイトはどうなのか?
最後に、おそらく税金に関する検索で常に上位に表示されるであろう国税庁のサイトについて解説します。
税金に関する情報を検索する場合には、まず国税庁のサイトを参考にすることが最も確実です。
【税金に関することをインターネットで調べる場合の真理】
国税庁等の官公庁が運営するサイトこそが、最も正しくて、最も新しい情報
正直言って、その情報量と正確性、即効性においては、我々個人サイトでは太刀打ちできません。
これら官公庁のサイトは、我々税理士等の専門家が利用するには、かなり便利です。
しかし、一般の人が利用するには、不向きです。
とにかく専門用語が多い、そして非常に回りくどい表現も多いです。
また、専門用語の解説として注釈なども載っていますが、その注釈にも専門用語が使われているので、訳が分からなくなります。
それだけで、一般の人には不向きです。
確かに、一番正確で、且つ最新の情報ではありますが、お勧めはしません。
結局は、税金に関する情報を調べる際は税理士のサイトを利用してください、ということが言いたかっただけなのですが、意外と長くなってしまいました。
ネット上で情報を提供する以上は、税理士も責任ある情報を掲載します。