こんにちは。税理士の髙荷です。
税金には「納期限(納付期限)」があり、その納期限を過ぎてから税金を納めた場合には、罰金(附帯税と言います)が掛かるケースがあります。
特に有名な罰金が、国税の「延滞税」と呼ばれる罰金です。
この延滞税は、基本的に課税する側(税務署)が計算するため、納税者自ら計算して納付することは無いのですが、もし、税金を滞納してしまった場合に、どれくらい延滞税が掛かるのかシミュレーションしたいという人もいるかと思います。
延滞税を計算するためには、まず「延滞した日数」を算出しなければなりません。
延滞した日数が僅かであれば、直ぐに計算できますが、数ヶ月又は1年以上延滞してしまった場合には、日数を計算するだけでも大変です。
そこで今回は、簡単に日数計算ができる「速算表」を掲載するとともに、日数計算のやり方も併せて解説します。
延滞税など、その計算に「日数」を使用するものについて、活用してもらえたらと思います。
尚、延滞税の計算方法等については、下記の記事で詳しくまとめています。
延滞税の計算方法【滞納期間別の税率の適用方法と専門用語の解説】
日数速算表
日数速算表①(1日~10日まで)
日数速算表②(11日~20日まで)
日数速算表③(21日~31日まで)
日数速算表の使い方
始期~終期が同じ年の場合
- 始期 … 法定納期限の翌日
- 終期 … 納付した日
【計算例①】
- 法定納期限
… 平成31年(2019年)3月15日 - 納付した日
… 平成31年(2019年)8月31日
【計算例②】
- 法定納期限
… 平成32年(2020年)1月31日 - 納付した日
… 平成32年(2020年)3月31日
始期~終期の年が異なる場合
- 始期 … 法定納期限の翌日
- 終期 … 納付した日
【計算例】
- 法定納期限
… 平成31年(2019年)3月15日 - 納付した日
… 平成32年(2020年)8月31日
- 上記の計算例は、除算期間を考慮していません。
参考資料
日数速算表の全体図
最初の章で、10日毎に3分割して掲載した日数速算表ですが、全体としては、下図のようになります。
本来は、こちらの表を掲載したかったのですが、あまりにも小さくて見づらいため、前掲のように3つに分割して掲載しました。
拡大は可能ですが、それでも小さくて見ずらいと思いますので、前掲の10日毎に3分割した表をお使いください。(あくまでも参考として掲載しています)
法定納期限
法定納期限とは、法令により定められた、税金を納付する際の納付期限を言います。
日数速算表の計算では、この法定納期限を使用するため、ここでは主な国税の法定納期限を掲載します。
尚、納付に当たって申告を要する税金については、原則として法定納期限と法定申告期限(法令による申告書の提出期限)は同一の日となります。
申告所得税及び復興特別所得税
区分 | 法定納期限 |
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予定納税(第1期) | 毎年 7月31日 |
予定納税(第2期) | 毎年 11月30日 |
確定申告 | 毎年 3月15日 |
- 予定納税とは、所得税の中間申告に相当するものです。
- 上記に掲げる納期限が、土曜日・日曜日・国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となります。(以下掲載する全ての税金について同様です)
消費税及び地方消費税
【個人事業者】
区分 | 法定納期限 |
---|---|
確定申告 | 毎年 3月31日 |
- 個人事業者は、所得税と消費税で納期限が異なるので、注意して下さい。
- 中間申告分の納期限及び課税期間の特例適用者に係る納期限については、国税庁のサイトを参照ください。
〔国税庁〕中間申告分の納期限及び振替日について
〔国税庁〕課税期間の特例適用者に係る納期限及び振替日について
【法人】
区分 | 法定納期限 |
---|---|
確定申告 | 課税期間終了日の翌日から2ヶ月以内 |
- 中間申告については割愛します。(以下、同)
法人税
区分 | 法定納期限 |
---|---|
確定申告 | 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
源泉所得税及び復興特別所得税
【納期の特例の承認を受けていない場合】
法定納期限 | |
---|---|
源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日 |
【納期の特例の承認を受けている場合】(給与等特定の所得に限ります。)
区分 | 法定納期限 |
---|---|
1月から6月までの支払分 | 7月10日 |
7月から12月までの支払分 | 翌年1月20日 |
- 納期の特例の承認は、給与等特定の所得に限られます。
相続税
区分 | 法定納期限 |
---|---|
確定申告 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内 |
贈与税
区分 | 法定納期限 |
---|---|
確定申告 | 毎年 3月15日 |
以上で、延滞税等を計算する場合の日数の速算表についての解説を終わります。