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脱税指南!?裏帳簿が無いと会社の経営が成り立たないのです

裏帳簿を使っている社長会計処理(仕訳)

こんにちは。税理士の高荷です。

さて、今回は『裏帳簿』に関する解説です。

ドラマなどでもよく目にしますよね、裏帳簿。

でも、実際にはどんなものなのか分からない人も多いかと思います。

 

そこで、『裏帳簿』とはどんなものなのか?

分かりやすく解説したいと思います。

 

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帳簿とは

まず、帳簿とは『会計帳簿』のことを指します。

主要な帳簿としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳
  • 現金出納帳
  • 売上帳
  • 仕入帳 など

これらの会計帳簿は、会社の取引状況や財産の状況を記載するものです。

この会計帳簿を基に、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表が作られます。

 

ここで勘違いしないでもらいたいのは、次の点になります。

帳簿は、税金を計算するために作成するものではありません

 

帳簿は、会社の経営状況や資金繰り等を把握するために作成するものです。

言い換えれば、帳簿がなければ会社等の経営は成り立ちません。

それほど会社にとって、帳簿は大事なものなのです。

 

現在では、パソコンで会計ソフトを使って日々の取引を入力していると思います。

これはパソコン(会計ソフト)で、帳簿を作成していることになります。

会計ソフトに入力することを、「記帳」と呼ぶのもそのためです。

 

ひと昔前であれば、ノート等に手書きで記帳していたので、「ノート」と言う帳簿が目に見える形で存在していました。

これはイメージがし易いと思います。

一方、上で述べたように、現在では「電子データ」という形で存在しているため、少しイメージしづらいかもしれません。

しかし、どちらも立派な帳簿であることに変わりありません。

 

電子データとアナログデータ

 

裏帳簿とは

では、裏帳簿とは、どのような帳簿のことを言うのでしょうか?

裏帳簿と聞くと、悪いことに使うものや脱税といったことを連想すると思いますが、必ずしも裏帳簿 = 脱税になるとは限りません。

 

裏帳簿が、脱税などの犯罪行為に使われることが多いのは事実です。

しかし、帳簿には色々な種類があり、会社によっては独自の帳簿を作成している会社もあるかもしれません。

また、帳簿の呼び名は決まっているものではないため、極端な話「売上帳」の事を、会社内部で「裏帳簿」と呼んでも構わないのです。

そのため、裏帳簿 = 即、脱税とは言い切れない部分があるのです。

 

それでは、脱税などに関わってくる帳簿とはどのようなものなのでしょうか?

一般的に、脱税などに使われる帳簿は、このような帳簿になります。

虚偽の内容を記載した帳簿

 

真実ではない嘘の内容を記載した帳簿が、脱税などに用いられるのであれば、裏帳簿 = 虚偽の内容を記載した帳簿ということになりますが…

実際には、そうではありません。

虚偽の内容を記載した帳簿 ≠ 裏帳簿です

 

その理由は、続きをお読みください。

 

裏帳簿があるということは表帳簿もある?

物事には、大抵オモテとウラが存在します。

帳簿についても同様です。

裏帳簿があるということは、当然「表帳簿」も存在します。

 

ここで言う表帳簿とは、このような役割を持つ帳簿です。

表帳簿 = 外部に見せる帳簿 = 税務署に見せる帳簿

 

従って、税金の申告も、この表帳簿に基づいて行われます。

 

対して、裏帳簿は、このような役割を持ちます。

裏帳簿 = 内部だけの帳簿 = 税務署に見せない帳簿

 

裏帳簿は、虚偽の内容が書かれた帳簿ではないと述べました。

それにも関わらず、絶対に税務署に見せることができない帳簿なのです。

 

その理由は、続きをお読みください。

 

裏帳簿こそが真実の帳簿である

さて、そろそろ本題に入ります。

先ほどの表帳簿と裏帳簿ですが、それぞれ記載されている内容が、下記のように異なります。

 

【表帳簿】

税務署に見せる帳簿 = 虚偽の内容が記載された帳簿

 

【裏帳簿】

税務署に見せない帳簿 = 真実の内容が記載された帳簿

 

脱税のための帳簿は、売上を少なくしたり、経費を水増ししたりして、税金を少なくすることを目的に作成されます。

つまり、前述したとおりの、虚偽の内容を記載した帳簿です。

この虚偽の内容が記載された帳簿が、表帳簿になります。

 

会社は表帳簿(虚偽の帳簿)を基に申告書類を作成して、脱税を行います。

そのため、税務調査等で税務署に対して見せる帳簿も、表帳簿でなければならないのです。

表帳簿を見せないと、申告書の数字と帳簿の数字が合わなくなってしまうからです。

従って、実際の脱税に使われる帳簿は、『表帳簿』なのです。

裏帳簿を使った脱税の仕組み

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裏帳簿は何のために存在するのか

ここまで述べてきたように、実際の脱税に使用されるのは、嘘の内容を記載した表帳簿になります。

それでは、真実の内容を記載した裏帳簿は、何のために存在するのでしょうか?

 

それは、冒頭で述べたことが理由になります。

真実の帳簿が無いと、会社の経営が成り立たないから

 

例えば、売上先や仕入先に対する売掛金や買掛金について、脱税のために売上を少なくしたり、仕入を水増ししたりした場合を考えてみましょう。

対税務署については、表帳簿があれば事足ります。

しかし、対取引先等については、真実の取引を記載した裏帳簿を作っておかないと、売上先からの入金が正しいか?仕入先への支払が正しいか?などが分からなくなってしまいます。

挙句の果てには、売上先や仕入先から取引を停止されてしまうかもしれません。

そうなると、商売どころではなくなってしまいます。

 

そのような事を防止するために、真実を記載した裏帳簿が必要であり、また真実の取引が記載されているがゆえに、税務署に対して見せるわけにはいかないのが裏帳簿なのです。

税務署は、偽の帳簿である表帳簿が真実の帳簿だと思っているわけですから、そこで裏帳簿の存在が税務署に知られれば、直ぐに脱税と判断されてしまいます。

 

裏帳簿の存在が脱税に関わってくるのは、真実を記載した帳簿であるがゆえなのです。

 

尚、脱税が「犯罪行為」であることはご存知だと思いますが、虚偽の帳簿(表帳簿・裏帳簿)を作成するだけでも「犯罪行為(脱税)」となる場合があります。

 

【横領も会社ぐるみの脱税と判断される場合があります】

社内の横領が発覚した場合の過少申告加算税と重加算税の取扱い

 

以上で、裏帳簿に関する解説を終わります。

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